消防は傷病者だけではなく関係者の思いも救う仕事

 

この記事では、救急隊になってすぐのCPA事案の体験談から、消防は傷病者のみならず関係者も救うんだなということを記事にしています。

 

あまりにも印象に残りすぎて今でも指令が鳴ったときから帰ってきたときの感情まで覚えています。

 

最終的には、傷病者のみならず関係者も救うことが消防にはできるんだということを言います。

 

消防士3年目でのCPA事案で学ぶことがありました

消防士3年目でのCPA事案で学ぶことがありました

これまでたくさんのCPA事案に出場してきましたが、あれほど深く印象に残っている事例は他にないです。

 

個人情報もあるので、少し内容を変えていますが本質の部分は変わらないのでご了承ください。

 

ちょうど10月ごろだったので1年前(2019/10/23執筆)ですね。

 

事案の最後だけ先に言うと、

活動が終わった日に関係者から泣きながら電話が来たというのがオチです。

つらつらと指令からの流れを書いていきます。

 

 

自信をつけてきたころのCPA事案

3年目は下記の記事でも書いている通り、ある救命士のおかげで救急が好きになりがっつりレベルアップできた1年でした。
消防の人材育成で1番大事なことは仕事を好きになってもらうこと

その救急隊になってから半年経っての事案です。

 

当務の明けとなる朝6:30頃でした。

掃除や朝食の準備をしているときに指令が。

 

救急指令、救急指令、○○付近 一般救急

 

いつも通り慌てることなく、出場。

 

ただ現場が消防署から非常に近く、2分もかからず付く距離だったので準備が少しバタつきました。

通報内容は詳細不明で出場。

 

出ると間もなく追加情報が入ってきました。

「乳児、意識なし」

隊長がCPAやないかーーー!って大きい声で言ったのも覚えています。

 

ここで血圧が一気に上がりました。

乳児…NCPRですよね。

 

正直、小児に関して自信がなかったのです。

付くまでに何とかCPA対応の最低限は終わらせて現場到着。

 

8か月男児CPA

付いて、CPAかどうか確かめます。

 

ここでは手順は書きませんが、テキスト通りです。おそらく救命士テキスト9版なら490~495Pらへんに載っていたと思います。

 

CPAです。家族も泣きじゃくっていました。

後から聞いたのですが、もともと障害を持っていて呼吸機能が弱い子だったみたいです。

そのため、気づいたときには…といった感じです(後から聞きました)。

 

現場活動は除細動パッドを貼って、CPR。

 

即収容、即現場発

都会の方は分かりませんが、田舎のほうだと小児の事案に出ることってほとんどないです。

特にCPAはなかなかないですね。

 

自分もですが早期搬送が精いっぱいでした。

 

乳児や小児は心臓というよりも呼吸機能が弱いことでCPAが起こることが多いので我々にすることは限られてくるのかもしれません。

(ここに反論したくなるかもしれませんが、当時の自分ではこれがいっぱいいっぱいの回答です)

 

病院到着

幸いなことに、その日の当番病院が2次病院だったため、ためらうことなく受け入れをOKしてくれました。

そのおかげで、活動の流れ自体はスムーズにいった事案でした。

 

ただ、自分の中で乳児のCPAというのはけっこうショッキングで、引き継いだあとに

 

もっとこうしていれば将来性のある子どもが…

 

など考えていました。

 

個人情報もあるので詳しくは書きませんが、現場は少しはイメージできるのではないでしょうか?

 

現場活動も覚えています。

実は現場で一回頭の中が真っ白になりかけました。

 

隊長が

「おれに教わっておいて自信がないのか?」

と声をかけられてから普段通り動けたのを覚えています。

 

何かぎこちなかったのだと思います。

 

現場到着をしたときに少しフワフワしたというか、おそらく少しテンパってたのかもしれません。

あの一言がなかったら、もしかしたら活動も流れていなかったかもしれません。

 

ドラマみたいですが、本当にこの言葉をかけてもらったのを覚えています。

 

 

消防士は関係者も救える仕事だとCPA事案で理解した

 

この日はけっこうショックでフィードバックも帰ってきてからやりました。

居残りをして救命士と小児の勉強を再度して帰ったのを覚えています。

 

そんなに責任を感じるような事案じゃないよって思うかもしれませんが、なぜかすごくショックが大きくあまり寝れなかったのを覚えています。

 

今思えば、甥っ子が生まれたばかりで、姿を重ねていたのかもしれません。

 

次の日も仕事でした。

 

交代が終わると反対番の隊長から救急隊が呼ばれました。

 

昨日の活動で苦情があったのかな…と心の中ではびくびくしていました。

 

家族から泣きながら電話があったと伝えられる

CPA事案があった日の昼過ぎ、つまり自分たちが返ったあとですね。

 

その家族から電話がきたみたいです。

「最後に心拍が再開して少しだけ手を握ってくれた気がした、ありがとうございました。」

という内容だったらしい。

 

泣いていたと。

 

医者も最後に心拍再開して家族が最後を見届けれてよかった、と言ってくれたみたいです。

 

この内容を聞いて正直、自分は半分救われた気がしました。

 

残り半分は無力さです。

 

ですが、少し理解したこともありました。

消防は傷病者だけではなくて、その関係者の気持ちも救えるんだなと。

 

CPAも少しでも心拍があった状態で家族が最後を見届けれるかどうかは大きな違いです。

やっぱ医療従事者ってすごいなって思う事案でした。

 

ほんの少しの違いでも、遺族の無念さも違うと。

もっとうまく活動できればなとは思いましたが、救われたのは救われました。

 

また頑張ろうと思える事案でした。

あのときのご家族の方、見てはいないでしょうが、本当にありがとうございました。

 

消防士が乳児CPAの事案で学んだことまとめ

消防は傷病者だけではなく関係者の思いも救う仕事

消防士ってやっぱすごいですね。

もちろん闇の部分もありますが、やりがいだけはすごいいい仕事だと思います。

小児ももっと頑張ろうと思います。

2 COMMENTS

空飯

良い隊長を持ちましたね。

残された家族も救うのが救急隊

まさにおっしゃる通りですね。

やりがいの部分でもあり、無力感を感じる部分でもあると思います。

ですが、そんな複雑な心境になる状態でも、最善を尽くす救急隊を尊敬しますし、応援しております。

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wavy

いつもありがとうございます。

やりがいと無力さと狭間に置かれる仕事だなとつくづく感じます。

残すところ半年もありませんが、救急隊として最善を尽くします。

ありがとうございます。

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