救急車の緊急走行は必ずスピードを出す訳ではありません

救急車が緊急走行しているのに遅いなぁと感じる人もいると思います。

この記事では、救急車の運転する人が何を考えてスピードを上げ下げしているかを解説します。

消火隊1年、救急隊3年目で機関員もするので説得力はあります。

<h2>救急車の緊急走行はスピードは出さない?</h2>


そもそも論ですが、救急車の緊急走行には速度制限が道交法で決まっています。

救急車の速度制限
一般道では80km/h
高速道では100km/h

め組の大吾とかコードブルーとか見てるとぶっ飛ばしてるイメージがかなり強いと思います。

実はそうではないんですよね。

いつも市民の方々のご協力のおかげで緊急走行ができています。ありがとうございます。

<h3>救急車の緊急走行はまずは安全第一</h3>

消防には、

安全確実迅速に

という言葉があります。

最初に安全がきて、次に確実、そして最後に迅速です。

経験を積めば分かりますが、安全確実に1発で終わらせれば迅速さは勝手に付いてきます。

まずは安全第一。

救急車も一緒です。

安全運転をしないと他の市民を危ない目に合わすことになります。

仮に事故をしてしまえば、緊急走行中だから後からねってできません。

他の救急車をその現場に出すしかないです。傷病者に不利益ですよね?

こういう理由があって、救急車は緊急走行でも安全運転を第一優先します。

 

<h3>救急車は疾患によって救急車の緊急走行は変わる</h3>

救急車がスピードを変えるのは傷病者に疑う疾患によるからです。

基本的に安全運転は変わりませんが、観察した結果、救急隊が疑う疾患によって運転は大きく変わります。

救急車の後ろを走っていてイライラする方もいらっしゃるとは思いますが、遅く走る理由は以下の通り。

<box class=”box29″ title=”救急車が遅く走る理由”] 脳疾患を疑う
大動脈解離など遠心力がだめな疾患
嘔吐などがある場合
振動で痛みがある場合[/box]

ざっくりとこんな感じです。

基本的に、遠心力がかかるカーブのときはスピードを落とします。

CPAのときなど胸骨圧迫していたり、後ろで誰かが立っているときは、態勢を崩して傷病者に手をついてしまったりなど危険が多いです。

基本的にスピードはそんなに出しません。

スピード出してとにかく急ぐかなというのは、サクッと思い出せるのはアナフィラキシーのときですかね。

気道閉塞が進行しそうであれば早くアドレナリンを打つ必要があるので時間との戦いになりますよね。

そんなときも安全が第一です。

<h3>救急車は赤信号や交差点で一時停止します</h3>

特に赤信号で交差点に入るときは必ず一時停止をします。
これも道交法で決まっていたと思います。

自分は青信号で他の車を停めているときもけっこうゆっくりと交差点は入っていきます。

他の車を停めたせいで赤信号の先頭の車が青になったと勘違いすることがあったからです。

そのときは本当に怖かったですね。サイレンと音声でアナウンスはしていますが、気づかなかったら信号が変わったと勘違いしたのだと思います。

事故をしなくて本当によかったです。

 

<h3>救急車は何も障害物がない道でも膨らんだりスピードを落とします</h3>

救急車の後ろを走っていて気付くと思われますが、とくに障害物がないのに減速したり、回ったりすることがあると思います。

それは、道がデコボコして跳ねる可能性があったり、マンホール等で振動が強くなることを嫌がるからです。

膨らむときも、対向車や後続車がいなければ膨らみます。

それぐらい救急車は揺れに対してシビアにやっています。

いかに傷病者の病態を悪化させないで、できればいい方向に持っていって病院までつなげるかが我々の任務ですから、シビアにならざるを得ません。

そして、傷病者だけに限らず、一緒に乗っている関係者も不安にさせないために安全運転が大事です。少しでもドキドキしたりハラハラしたりは避けたいのです。ただでさえ慣れていない救急車に乗っている訳ですから。

 

<h2>消防士でこれから救急車などの機関員になる人へ</h2>

若手職員でこれから救急車やポンプ車などの機関員になる人へ機関員のアドバイスをいくつか紹介します。

機関員歴は3年目でポンプなどの機関員と兼務することもあるので説得力はあります

機関員になりたての人へアドバイス
  • 急ぐ必要は全くない安全第一
  • 道と病院だけは完璧になれ
  • やばそうなら必ず停まる

以上3つのポイントがあります。

<h3>救急車は急ぐ必要は全くない安全第一</h3>


先ほども言いましたが、全てにつながることで、安全第一です。

救う側の我々が事故を起こして救急車も呼ばないといけない、救急要請があった家に別の救急車も向かわせないといけない、なんて本末転倒なことがあってはいけません。

しかし、以前東北で高速道路での交通事故みたいに突っ込まれたらもうどうしようもないですね…

とにもかくにも、安全第一です。

緊急走行に協力をしてくれる市民の方を巻き込んでもいけませんし、怖い目にあわせてもいけません。まずは間違いなく安全な状況を作りましょう。

ポンプなど中型や大型の機関員については急ごうと思っても車体は大きいし内輪差など気を付けることころが多すぎてあまり急げないですよね。

ポンプなどの中型、大型の機関員は、必ず自分で一周してから乗ってください。誰かが、いいよーって言ったとしてもです。

それで乗車して、どこかが開いていてガッシャーンってなれば自分のせいです。いいよって言った人のせいではありません。

救急車も同じです。救急から帰ってきたら資機材の忘れ物の確認を必ずすること。

こういったことも安全運転の一つだと自分は思っています。

 

<h3>救急車の機関員は道と病院だけは完璧になれ</h3>
キングオブ当たり前ですが、これができていない職員がけっこう多いです。自分の消防に限ってですが、分かったつもりでいやがる。

1回行っただけでは覚えないのに、自信もないはずなのに地理研修をしようとしない人が機関員をするっていうのもすごい状況だなって思います。

たまたま今、その道を使っていないから、その地域で救急がないからまだ大丈夫な訳で…

まぁ一年間救助訓練していたらそりゃやるべきことも見えなくなってくるでしょうけども、必須の部分を疎かにして救助訓練するのはどうかなと…

市民の皆さんに聞いてみたいですね。

救急車を運転する道を知らない人が救助訓練して全国大会を目指すのと、道を覚えるために救助訓練の時間を地理研修に使うのとどちらがいいのかなと。

それは個人の頑張りだとはいいますが、その頑張れる度合いも人それぞれです。救助訓練終わってからでも、おれはできないから一人で研修にいく!という人もいれば、そこまで頑張れないという人もいます。

それを切り捨てずに、バックアップするのが教育ではないかな?と思います。

自分がやっていた地理研修の方法の1つにグーグルマップがあります。

あれのストリートビューを使えば風景はなんとなく復習できます。1度行ったことがある道ならある程度いい復習になるので家でできる地理研修としてはオススメです。

 

<h3>救急車の機関員はやばそうなら必ず停まる</h3>
結局のところ安全第一につながるのですが、救急車に限らず機関員は危ないって思ったら停まること。

進まない、とにかく相手に譲る。狭いみちで離合しないといけないときは、停まって相手に譲りましょう。進んでいいことはないです。

変な話、ぶつかってしまったら動いているだけで10-0にはならないですし、公用車だからということで強きで出てくる人だっています。

厳しいなと思ったらとにかく譲りましょう。緊急走行等に関わらずです。

自分の体験談を出すと、病院から帰るときに狭い道路で離合しないといけませんでした。自分が譲ればよかったのですが、進んでしまって低い縁石でタイヤを少しこすってしまったことがあります。

あのときは譲ればよかったなと思っています。公用車の運転はとにかく市民に譲るのが自分のためです。急いでも何一ついいことはありませんよ。

<h2>救急車の緊急走行はスピードは出さないのまとめ</h2>

なぜ救急車は遅いのか?
<ul><li>傷病者に負担がかからないようにしている</li>
<li>安全第一だから</li>
</ul>

いつもご協力ありがとうございます。
本当に市民の皆様のおかげで緊急走行ができていると消防職員は思っています。これからもよろしくお願いいたします。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です